プレスリリース

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「グリフォン書店」、架空戦記『原潜伊602号浮上せり』上・下巻、電子書籍配信開始

 iPhone/iPad/iPod Touch向けの電子書籍ストアアプリ「グリフォン書店」にて、青山智樹・著の『原潜伊602号浮上せり(上)』『原潜伊602号浮上せり(下)』の配信が開始された。

 この作品は、1994年8月に勁文社より刊行された長編小説の電子書籍版。ノベルス版と同じく、上・下巻に分けての刊行となる。

 第二次世界大戦を舞台とした架空戦記で、日本海軍が原子力潜水艦を、アメリカが原子力爆弾を同時期に開発成功したら……という「if」が描かれている。
 潜水艦という「密室」でのスリルある攻防戦もさることながら、原子炉の仕組み、放射能による危険性、核兵器の恐怖、人間の道徳、科学者の苦悩など、皮肉にも東日本大震災を経験した現代の我々にとって、注目すべきキーワードが並んでいることも見逃せない。

(あらすじ)
 1944年10月。潜水艦の専門家、友仲技術中佐は、Uボートでドイツより2トンの酸化ウランを持ち帰った。
 帰国後、技術研究所へ異動となった友仲は、陸軍主導の原子爆弾開発の海軍側責任者を命じられる。自らの手掛けた新型潜水空母・伊400型に心を残す友仲だったが、気休めに書いた原子炉の潜水艦利用の報告書に目をとめた第一潜水隊司令、龍泉大佐の「伊402に夕号炉(原子炉)を積みたい」という申し出に、技術者としての情熱を掻き立てられるのだった。
 しかし、かたくなに決戦兵器・原子爆弾の開発を主張する陸軍の壁は厚く、海軍首脳も容易に動燃利用に傾きはしなかった。
 落胆する友仲だが、日本軍部を震撼させた米国の原爆開発の報に事態は急転するのだった……。